トラブル

<砂詰まり>
症状: 床材の砂を食べてしまい腸閉塞で死亡した。生後1年くらいのメスのヒョウモントカゲモドキ。 最初砂詰まりとはわからず、1ヶ月ほど拒食していた為病院で診てもらったら腸にパンパンに砂が詰まっていた。砂詰まりで体がむくんでいた為、見た目はそれほど変わらずまた、元気だったため発見が遅れてしまった。摘出手術は無理だということで入院して治療することになった。お尻から器具を入れて砂をかき出すという治療をしてくださったがみるみるうちに衰弱し10日ほどで死んでしまった。
予防: 床材を食べる個体には口に入らない床材にしたほうが無難。 ペットシーツ、新聞紙、キッチンペーパーなどがお薦め。床材を食べてもちゃんと排泄する個体もいたがそれはただ運がいいだけで詰まる可能性は十分ある。


<拒食>

症状:

生後2年ほどのオスのボウシトカゲモドキが拒食で死亡。もともとは太っていてよく食べる個体。急にほとんど食べなくなり半年ほどで骨と皮になった。拒食してからも月にコオロギ1匹くらいは食べていた。原因はわからずじまいだったが検便で寄生虫がいるといわれた個体。駆虫はしていなかった。
対処: 環境が原因の場合がほとんどだと思うので温湿度、床材、シェルターの種類、位置、餌の種類などいろいろ変えてみる。なるべく広いケージに温度変化を付けた場所を作って試してみるとよい。2ヶ月ほど食べなかったニシアフリカトカゲモドキが床材をヤシガラ土からペットシーツに変えたとたん食べ出したこともあるので一見無駄と思えることも試しているとよい。また水を飲んでいる場合は水に栄養剤を混ぜてみる。栄養剤は腐りやすいので毎日取り替える。


<卵詰まり>

症状:



卵が産めず腐った卵で腹膜炎を起こし死亡。生後2年のメスのヒョウモントカゲモドキ。最初は産卵床を掘るような仕草をしていたのだがLコオロギを4匹ほど食べてから一切産むような行動をしなくなった。何度か病院に相談しに行き産卵を誘発する注射を2回打ってもらったが産まなかったため最後に開腹手術をしてもらった。しかし既に腐った片側の卵が内部で潰れ腹膜炎を起こしており術後2日で死んでしまった。はっきりした原因はわからなかったが考えられる原因は
1、先天的に骨盤が狭い為産めない。
2、産卵床を用意するのが遅いか、環境が気に入らずに産めず卵が大きく育ちすぎて骨盤を通らなくなった。
予防: 大きな餌を大量に食べてから産む行動を止めてしまったということも気になるがハッキリした因果関係はわからなかった。
早めに産卵床を用意してあまり覗いたりせずに静かにしておく。産卵前でお腹が大きくなっている時はあまり大きな餌を大量に与えるのは避けたほうが無難。産卵前に食べたがる個体はあまりいないと思うが。

<眼の膿>
症状: 眼が開かなくなり餌を食べなくなった。生後約2年のメスのサヤツメトカゲモドキ。それまでは食欲も旺盛で問題なかったがSコオロギが切れていたので半月くらいダストしたミルワームで代用していた。 眼が開かなくなってから10日ほどたってから病院へ連れて行った。病院で眼を開いてみると中には膿が溜まって眼球が見えない状態だった。 膿を取り除いてもらって抗生物質と消炎剤の2種類の点眼剤を出してもらった。毎日3、4回ずつ点眼し、栄養剤を練って舐めさせ続けたら約2週間ほどで膿は引き眼も開くようになった。一時は眼も元にもどり食欲も戻ったのだが再度ミルワームを与えたあとにまた拒食してしまい、また眼が開かなくなった。以前と同様に点眼剤を付けたが拒食から既に1ヶ月近くたっていたため体力がもたず最終的にマウスロットにもなり約2週間ほどで死んでしまった。
予防: はっきりした原因はわからないがミルワームの栄養の面、または大きいミルワームを大量に食べた場合の消化の面か内臓の損傷などで問題があったのかもしれない。または当時は床材が湿ったヤシ殻土だったため土が眼に入り細菌に感染したかウェットシェルター内にできた水滴に雑菌が繁殖し目に入った可能性もある。
床材は眼に入らないようなペットシーツ、新聞紙、キッチンペーパーなどにし、シェルター内に水滴がつかないように工夫したほうがよい。餌はカルシウムなどをよくダストした少し小さめのコオロギにしたほうが無難。

<クーリングの失敗>
症状1(死亡): クーリングを終えて温度を戻していく途中で死亡。ボウシトカゲモドキアダルトペアとニシアフリカトカゲモドキアダルト♀。
ボウシ♀・・・痩せていたのと緩い尿を頻繁にしていたので早く温度を戻して食べさせようと思いケージ毎のフィルムヒーターを入れた。翌日に死亡。湿シェルターのヤシガラ土らしいものを吐き戻してあった。
ニシ♀・・・温度を上げている途中9日目で死亡。19℃→24℃ やはりクーリング中から緩い尿を頻繁にしていた。
ボウシ♂・・・クーリング中にマウスロットになっていたのと緩い尿を頻繁にしていた。ケージ全体の温度を19℃→25℃まで2週間掛けて上げた後ケージ毎のフィルムヒーターを入れた2日後死亡。
症状2(血尿):
クーリング中に血尿をしてぐったりしていた。ニシアフリカトカゲモドキアダルト♂。クーリングから2ヶ月目。一時17℃まで下げていた。急遽クーリングは終わりにして徐々に温度を上げていった。途中大量の血尿をしたので病院で診察を受けた。クーリングの失敗で体調を崩し腸が炎症しているのだろうとのこと。またクーリング中から頻繁に緩い尿をしていたので脱水もしているだろうとのこと。抗生物質と整腸剤を水に混ぜて毎日与え、引き続き徐々に温度を上げていったら持ち直した。
予防:
原因については結局わからなかったがボウシ♀とニシアフリカ♀は以前の検便で寄生虫がいると言われた個体。駆虫薬は与えたが駆虫できていたかは確認していない。また、ボウシ♂は寄生虫の有無はわからず。血尿のニシアフリカ♂は以前の検便で寄生虫は発見されなかった。
また、クーリング中の頻繁な尿、ホットスポットのヒーターを入れて急死したことから脱水症状だった可能性がある。
クーリング自体リスクがあるものなのでしないほうが無難。もしする場合は
・ 体調が悪そうな個体は避ける。
・ 駆虫はしっかり済ませ太らせておく。
・ 温度調整に気をつける。参考までに・・・去年20℃くらいまで下げた時は問題なかった、今年は17℃前後まで下げた。個体の種類、体調によって耐えられる温度が違うので一概になんとも言えないが。
・クーリング中に頻繁に尿をしているようなら下痢で脱水している可能性がある。早く餌をとって体力を回復させるため温度を徐々に戻しながら毎日水やポカリスウェットなどの浸透性のいいものを多量に舐めさせ脱水症状を和らげる。水入れを置いておいても自分で飲まないこともあるので積極的に与えたほうがよい。また、水分に整腸剤を混ぜても良い。(人間用のものが使えるかどうかは未確認)


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